若いうちに転職を
従来の日本企業の雇用の仕組みには、アメリカ型とはまた別の残酷さがある。期待を持たせ、いつまでも抱え込んでいるうちに、市場価値を失わせてしまうからである。20パーセント組、5パーセント組に入れる力のある人たちが、社内政治に明け暮れているうちに、チャレンジングな心を失い、時機を逸してしまうのである。これまでの日本企業のパターンは、毎年100人から200人の新卒を雇い、およそ20年かけて、自分の会社の経営を任せられるプロを5人くらい育ててきた。
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200人規模でいえば、実は残りのうち30人ぐらいの人は、上位5人と能力的にさほど大きな差があったわけではない。ピラミッドの構造上分けざるを得なくなって、それで運悪く不要組に入れられてしまったのである。その30人は、他の会社に移れば上位5人と同じく、いくらでも経営陣として能力が発揮できる人たちである。若いうちに転職すれば上位に残った5人よりずっと立派な仕事をしたかもしれない。ところが日本の会社は、真綿でクビを絞めるような辛い人事をする。仮にそれをゴルフにたとえると、40代前半はちょうど第2打を打ったあたりなのだが、客観的にはその人がラフや隣のフェアウェイに打ち込んでいても、会社は「まだ第3打をオンすれば、パーもあるかもしれない」と思わせるような人事を行うのである。そして、4、5年経ってから「やっぱり役員は無理だった」と分かるように仕向ける。陰湿といえば陰湿である。
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