職業訓練を改善する三つの提案
私が提案するのは三つである。一つ目は、業界ごとの職業訓練を強化することである。厚労省の行う職業訓練の中にも、再就職に結びつきやすい分野があるが、そういう分野では求められる資格・能力などがはっきりしている。建設用機械の操作などは典型である。兎にも角にも、能力を基点にして横断的な労働市場ができやすい分野を中心に、重点的に職業訓練するのも一つの考え方である。例えば、IT分野などは将来の雇用吸収力を考えても有力な候補の一つだろう。
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ただ、公的職業訓練の場合には、伝統的なものづくりや建設業などガテン系には強い一方で、先端産業などには弱い印象が強い。そのため、先端産業などの職業訓練は思い切って外部にアウトソースするのも一つの考え方だろう。地方自治体レベルでは、IT系企業と地方自治体が共同で能力開発プログラムを作る事例があるし、スタンフォード大学などは企業ニーズを踏まえて随時カリキュラムを編成している。公的職業訓練よりも民間委託などにもっと比重を置くことも検討課題だろう。二つ目は、マッチングと職業訓練を関連づけることである。これまでもハローワークなどでは職業訓練と職業紹介を関連づけてきたが、もっと視点を広げて思い切った政策を展開するべきだろう。現在でもデュアルシステムなど職業訓練を就職に結びつける政策は行われているが、もっと高度で資金をかけたものでもいいだろう。例えば、私はIT系の大学院に勤務しているが、この分野では新しい技術を身につければそれだけ就職に有利になるし、大学院在学中に産学連携などで企業とのコネクションも出来上がるため、会社を辞めて大学院に再入学しても、キャリア上、必ずしも不利になるわけではない。そのため、雇用保険を受ける離職者に対して、修士課程の2年間に限定して、ゼロ金利で学費と生活費を援助する一方で、大学院などが用意する「再就職に即座に結びつく実地的で長期間のインターンシップ」への参加を義務づけるなどの政策も考えられるだろう。
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